ギャンブルと娯楽は同じ性質を持っている。長年、カジノでは歓喜や悲劇のドラマが繰り返されてきた。世界の著名なミュージシャンもカジノを楽しんでおり、ギャンブラーの浮き沈みについて歌った楽曲もたくさんある。今回はその中から何曲かご紹介しよう。
1. The Angel and the Gambler アイアンメイデン(1998年)
この曲ではブルース・ディッキンソンの素晴らしい歌声を聴くことは残念ながらできない。歌詞を読むと、バンドが人生や宇宙を暗く恐ろしいものだと考えていることがわかる。「お前を救ってやれるのに、それが信じられないのか?」この問いかけが、名ばかりのギャンブラーに繰り返し投げかけられる。繰り返し部分が長く続くため、ファンからは「The Angel and the Never-Ending Chorus」(天使と終わりなきコーラス)と呼ばれている。(コーラスのリフレインは本当に長く、どこまで続くのかちょっと退屈になってくる…。)
2. Poker Face レディ・ガガ(2008年)
レディ・ガガはファーストアルバムの「Fame」で注目の的となった。複雑な内容をキャッチーな楽曲に乗せて歌っており、この曲は今でもガガの最高傑作と言える。歌詞の中で、恋愛の駆け引きがポーカーになぞらえて歌われている。
3. Luck Be a Lady フランク・シナトラ(1965年)
幸運に恵まれなければ、スカイ・マスターソンはサラ・ブラウンを口説く最後のチャンスを失う。フランク・レッサーの「Guys and Dolls」には、ミュージカル界を代表する象徴的な場面がある。ギャンブルを最も象徴する曲のひとつと言っていいだろう。
4. The House of the Rising Sun アニマルズ(1964年)
ギャンブルがテーマの曲というと、アニマルズの「House of the Rising Sun」が真っ先に思い浮かぶだろう。クリーンなギターのアルペジオから始まり、最後にはハモンドオルガンのコードが流れる。暗い曲調だが、クセになる。
元々は「Rising Sun Blues」というタイトルで、アメリカの伝統的なフォークソングだった。おそらくは売春宿やカジノの誘惑に負け、人生が破滅した男について歌っている。アル中の父親もギャンブルに入れ込んでいたため、この男の人生もギャンブルに支配されているのだろう。
5. The Gambler ケニー・ロジャース(1978年)
米国在住の方には馴染みのある曲だろう。500万枚以上のセールスを記録したこの曲は、ゆったりとした音楽にぴったりの、落ち着いた歌詞である。ケニー・ロジャースを聴くときはステットソンハットを忘れずに。
6. Ace of Spades モーターヘッド(1980年)
イントロのギターリフが印象的な80年のヒット曲。このリフを弾けるという人は多いだろう。個人的には、もっと注目されてもいい曲だと考えている。
スリルを求める心や敢えてリスクをとる姿勢を歌っており、ロックンロール精神に溢れている。ポーカーにまつわる内容やギャンブルのメタファーが歌詞のそこかしこに見られる。しかし、歌詞の内容と曲の人気とはあまり関係がないような気がするのは気のせいか…。